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バーションの話 [Avidソフトウェア]

最近はHDがあたりまえの時代になってきた。HDソフトも放送番組だけでなく、ブルーレイディスクの増加も順調だ。ところで、技術の進歩はそんなHDどころか、テレビでは家庭用3DテレビのCMが流れている。パナソニックが出した3Dビエラだ。

そこで供給ソフトだけでなく、手軽に3Dソフトを作ることはできるのだろうか?、と疑問を抱き、3Dカメラなる商品を検索してみて驚いた。先の3Dテレビを発売しているパナソニックから業務用3Dカメラがすでに発売されているのだ。価格は210万円とこれまでの業務用に比べると高いが、P2CAMやHDVのような位置づけの3Dバーションとしては低価格に設定できているに違いない。

3Dcam.jpg

 

レンズが2眼、ホームページによるとこれまでの3Dカメラは1本のレンズの画像をハーフミラーを使って2つのヘッドに分けているのに対し、このカメラはまさにデュアルカメラである。

最近の技術革新は目覚しい。近い将来、大型電気店に10万円を切った手のひらサイズの3Dカメラがたくさん並ぶに違いない。いや、そればかりか、静止画ベースのデジカメも携帯カメラにも、すぐに3Dの時代が来るのではないだろうか?すごい時代になったものだ。

さて、われわれが次に考えるのは、収録されたそれら3Dの素材をどの用に編集するかだ。おそらく3Dのノンリニアソフトはもう対応バージョンが用意されているに違いない。われわれ製作者も立体的効果を狙った企画を考えて演出に活かしてゆかねばならないだろう。

 

そこで編集ソフトの話である。AvidソフトウェアもXpress Proの販売が終了し、メディアコンポーザー(以下MC)へ移行して久しい。このMCであるがこれまでのバージョンと異なりVer3.0以降のものが新しくMojoDXハードウェアとあわせてHD-SDI対応でHD化されている。(ソフトウェアだけなら30日期間限定の無償体験版もある)

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個人のディレクターや制作会社の方々中には、まだこのバージョンを使ってオフライン編集をやっている方が多いのではないかと思う。
弊社のシステムも、まだAvid Xpress Proを2チェーン使っている。それもひとつはMojo SDI非対応のバージョン5.2.4をSDメインに、もうひとつは5.7.2でMojo SDI対応だが、Mojoは使用せず、HD用として運用している。つまりどちらもソフトウェアのみの構成である。弊社はポスプロではないのでヘビーシステムを組む必要はないが、作業はHD対応でなければならない。Avid Xpress Pro 5.2.4と5.7.2、この二つのバージョンはともにHDに対応しているが、HDCAMなどHD-SDIベースのデッキを追加するならば、Mojo DXなどのハードウェアを使用することになるため、システム全体をMCVer3.0以上に変更しなければいけなくなる。(対応のワークステーションもグレードUPの必要あり)

 

先日、世話になっている近所のプロダクションで、Avid HD化の相談を受けた。新しいシステムを入れようと考えているというのだ。そこの会社で使っているのは、弊社と同じAvid Xpress Proの5.2.4と5.7.2である。納品先で必要になるのはDVCPRO HDで、HDCAMの必要はないという。しかもプロ野球中継がメインという性格上、120分テープのかかるラージ仕様のデッキ、AJ-HD1800が必要になる。

そこで提案させていただいたのが、現在のシステムに、DVCPRO HDのデッキだけを追加すれば充分ことは足りるのではないか、ということだった。なぜなら、Avid Xpress Proの5.2.4、5.7.2の両バージョンともDVCPRO HDにはネイティブに対応しており、素材のデジタイズ、デジタルカットともFirewire1本でリアルタイムにできてしまうからだ。(タイムコードはCOMポートからRS-232C~RS-422 9Pリモートで取り込む ) 

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ところで、Avid Xpress Proは、バージョン5からHDVネイティブの対応になったが、このHDVというメディアがやっかいもので、Firewireでのキャプチャはできても、Firewireではリアルタイムにデジタルカットができないのだ。一度、m2tファイルに書き出してから、テープへ戻すといった手間がかかるメディアなのである。当然、部分手直しもできず、長尺ものには向いていない。

もっとも、HDVは補助的に使うメディアで、一度取り込んだらまたHDVに戻すということはまずないため、デジタルカットの必要性もないだろう。

このことからDVCPRO HDも同様に手間がかかるという錯覚を抱きがちで、HD-SDIの入出力ハードウェア導入を考えなければ、という発想に向かってしまうのである。

 

これがポスプロならまだしも、このケースは制作会社である。DVCPRO HDベースであれば、現在はこのバージョンで十分に対応できるし、オンラインでもオフラインでも使える。まして経済的な事情もあるだろうから、600万円以上のシステムアップグレードは、もう少し時間をおいてからでも遅くはないのではないか、という意見を述べさせてもらったわけだ。

 

いづれにせよ技術の進歩は目覚しい。「機械を買う機会を見極めるのは難しい」ということだ。多様化する仕事先の環境にあわせ、使えるバージョンは最大限に活用してから次世代へ移るのが手堅い方法ではないか、と思う今日この頃である。

追記:Avidはすでにステレオ3Dに対応しました。メディアコンポーザー4も対応しています。詳細は下記URLへ

http://www.avid.co.jp/jp/stereo3d/

 


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