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夕方ニュースの特集取材 ファイナルカットで完パケします?! [Avidソフトウェア]

最近手伝い始めた夕方ニュースの特集コーナーの取材編集があるのだが、その元受プロダクションが収録にXDCAM EXを、S×Sカードに35Mbps MP4で収録。編集はファイナルカットver.7を使い、納品がHDCAMという構成で、最終的にファイナルカットでHDCAMテープ化をすることになっている。

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SONY XDCAM EXカムコーダー PMW-350 

 

 

SBS-32G1.jpg

Express/34カード仕様となっているS×Sカード (32GBで6万円近くする!)

 PCにExpressカードスロットがあればリーダーの必要なくデーターをコピーできる

 

 ところで、私の周りにはファイナルカットのユーザーが圧倒的に多い。Windowsと比べるとMACのほうがソフトウェアのバージョンアップに対してマシンの更新が少なくてすむことも要因なのだろうか。

私はAvidで完パケ仕上げをやるのだが、さらにそれをファイナルカットで読み込めるファイルで納品しなければならない。最近、このように仕上げたシーケンスをファイナルカットで再度読み込むという仕事がチョコチョコある。

最初の頃はファイナルカットにAvidコーデックを入れてもらい、短いものならAAFデータを、そうでないものはクイックタイムに吐き出していた。しかしながら、ファイル変換の回数が増えればその分画質も下がるし、変換に多大な時間を要する。また、AAFでファイルごと吐き出しも、ファイナルカット側でシーケンスにうまくリンクせず、クリップ名を見ながらひとつづつ上書きするという手間もある。それもいやなので、クイックタイムに吐き出しするのだが、最近、双方のセッテイングミスからなのか、クイックタイム変換をしたものをファイナルカットで読み込むと、セットアップが上がったような、全体にコントラストが下がったような、そんなおかしな映像になってしまう。

Avid上で変換時間も2.5倍ほどかかる上、ファイナルカット側でも取り込んでから、さらにレンダリングに5倍ほどの時間がかかるのだ。 何のためのノンリニアか!、というロスタイムを生むのは作業上よろしくない。

 何かいい方法はないかと、HDVのm2tファイルに書き出したが、今度はそれをファイナルカットが読まない。テープに吐き出し、またデジタイズするというハメになるのも困りものである。

色々考えた末、MediaComposer 6.0.5のエクスポート設定を見て気づいた。XDCAMのMXFファイルを作ればいいのではないのか?ファイナルカットにはXDCAM Transferプラグインがあるのだから、ソニーが採用しているXDCAM MXF OP1aコーデックを使ってエクスポートすれば、作業時間も短く、必ず読めるはずだ。これまでver5.5で作業していたため、XDCAMディバイスへのエクスポートはあれど、XDCAMのファイル書き出しはなかったので、そこに意識が行かなかったのだろう。

Avid Media Composer 6.0.5のエクスポート設定 

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この仕事、収録はS×Sカードに1440×1080 59.94i 35Mbpsで収録したXDCAM EX (MP4)をAMAリンクで編集している。これなら完成したシーケンスをそのまま XDCAM MXF 35Mbpsに返してやれば、と実験してみた。

 

エクスポートしたカラーバーをAMAで再取り込みして比べてみるとほぼ同じ画質だった

(これは25Mbpsでエクスポートしたもの。HDVとして認識した) 

 TIMELINE.jpg 

AMAリンクのままのシーケンスで書き出すと、シーケンスの実時間の2倍強という感じでファイル書き出しができた。この変換時間はMP4形式からMXF形式へトランスコードしているためと思われる。テロップなどインポートメディアがDNxHD145でできていることもあるだろう。

 

1点注意しなければいけないことがある。完成シーケンスのオーディオトラックを4つ以上作っている場合、いくらミキサーのPANでチャンネルを整理をしても XDCAM MXF OP1a 35Mbps以下にファイル書き出しする時、オーディオチャンネルはそのまま4chをスルーに書き出すため、4ch以上あるオーディオシーケンスでは書き出しエラーが出る。こんな場合は4ch以内にオーディオミックスダウンをしてからエクスポートする必要がある。

 

Error3.jpg

25・35Mbpsエクスポートでは4chまでのサポート 

 

ちなみにXDCAM HD 50Mbpsのマザー素材をAMAを使って50Mbpsでエクスポートしてみた。これはコーデックもファイル形式もまったく同じもののため、実時間の半分でエクスポートできた。また、50Mbpsでエクスポートする場合、オーディオトラックは最大8chまでになる。オーディオのチャンネル数のために50Mbpsを選択するという方法もあろうが、音の問題だけなら、別に音だけAAFで吐き出すという手もある。シーケンスの長さなどで作業時間を考えてエクスポート方法を選択することが必要かもしれない。 

 50mbps.jpg

50Mbpsでエクスポートした素材をAMAで再読み込みすると8chオーディオが表示された

 

そのファイルをファイナルカットのXDCAM Transferで読ませてみたところ、画質をほとんど犠牲にすることなく読み込みが行われた。さらにレンダリング不要で作業効率もUPした。 撮影から放送まで3-4日という短いスパンなので、本来の演出作業以外の機械的作業時間を短縮するのが一番である。

 

なんせ、この仕事、ほとんど寝る時間がない。もう年寄りの部類である私には、これが健康的ストレスの大きな要因になる。健康維持のために作業効率を勉強するのは本末転倒かもしれないが、とにかく人間、睡眠時間が一番。

でも、まだしばらくはキーボードとディスプレイとは向き合わなければならないようだ、細く長く行ってみよう・・・。 

 


タグ:XDCAM
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